【4技能】 いわゆる『4技能試験(英語の民間検定試験)』についてできるだけわかりやすく整理してみた

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いわゆる『4技能試験(英語の民間検定試験)』について様々な情報が飛び交っていますので、ここでちょっと自分なりに整理してみました(2019年7月2日更新)。

まずは『4技能』です。過去のエントリーでも書きましたが、『話すこと(スピーキング)』『聞くこと(リスニング)』『読むこと(リーディング)』『書くこと(ライティング)』の 4つ の『技能』を一般に『4技能』と言います。

次に『4技能試験』です。上記の『4技能』を問う試験であればどんな試験であっても『4技能試験』です。区別しなければいけないのは、2020年度以降に大学入試センター試験(『センター試験』)に代わって行われる『大学入学共通テスト』に伴って利用される『4技能試験』(以後『A試験』とします)とそれ以外の『4技能試験』(以後『B試験』とします)。

A試験 は次の 8つ 7つ* です:英検、GTEC、TEAP、TEAP CBT、ケンブリッジ英検TOEFL iBT、IELTS、TOEIC(L&R + S&W)

* 詳細は  参加要件を満たしていることが確認された資格・検定試験の概要一式 をご覧ください(2019年7月2日に TOEIC が参加を取り下げました)。

B試験 は次の通りです: すべての『4技能試験』

[ A試験 ]

2020年度以降、主に国公立大学を受験するのに必要とされる のが A試験 です(厳密に言うと『大学入学共通テスト』と 4年間 併用になります)。出願要件 とするか 加点方式 とするかは大学によって異なりますみなし満点 とする大学〔広島大学など〕もありますが、今回は触れません;そもそも〔2020年度は〕『4技能試験』を活用しない 北海道大学東北大学 についても触れません)。

出願要件 とする多くの国公立大学はCEFR(セファール)の A2 レベル を要求しています(CEFR の A2 レベルというのはだいたい 英検準2級合格レベル になります)。

加点方式 を採用する国公立大学で詳細を確認できたのは 茨城大学  兵庫教育大学 愛知教育大学 福島大学 ですが、いずれも 最大で 40~50点 が加算されます。

それでは 8つ の A試験 のうちのどれを受験すればいいのか、という疑問を持つかと思いますが、答えは『お好きなものをお選びください』になります(国公立大学サイドで特定の試験の受験を指定してくることはその性質上ないと思われます)。

出願要件 をクリアするためだけであるならば、自分としては 英検準2級 がベスト と考えています。他の 7つ に比べて過去問等の情報量が圧倒的に多いのがその理由です。

加点方式 は 8つ のうちのどのテストであっても高スコアを獲得すれば有利になりますが、どのテストにするかは次の B試験の目標 との兼ね合いになってきます。兼ね合いがないのであればご自身がスコアを獲得しやすい(であろう)テストを選んでください(自分としてはここでも 英検 がベストと考えています。英検協会の回し者みたいになっていますが、やはり情報量が違います)。

高校3年生の 4月から12月の間2回まで 受験(申込の際『共通ID』を記入)でき、そのスコアが大学入試センターを通じて出願大学に提供されます。

[ B試験 ]

B試験 についてはこれまで通りです。各自の目標(自分の英語力を確認する、大学入試に利用する等)に合わせて受験することになります。

上智大学 TEAP利用型 を受験する場合であれば TEAP の受験が必須 です(上智大学の出願基準スコアをクリアできるのであれば A試験 の出願要件基準もクリアできます)。TEAP は 高校2年生から 受験できます。

早稲田大学の 英語4技能テスト利用型 や 明治大学の 英語4技能試験活用方式 の受験を考えている場合は 英検準1級 合格レベル が目標になります(TEAP などでも基準はクリアできます;英検2級でもクリアできますが、各技能で高スコアを取らなければいけなくなる〔ミスが許されなくなる〕のでおすすめしません)。早稲田大学明治大学も 入試(出願)前2年間 の成績を有効としています。

内部進学が決まっていて、大学在学中の留学を考えている場合は TOEFL や IELTS を受験することになります。これ以外の場合に TOEFL と IELTS の受験は正直おすすめしません。単純に英検・GTEC・TEAP など比べて負担が大きいからです(このことについてはいつか述べたいと思います)。TOEFL と IELTS のスコアは 2年間 の有効期限があるので、高校在学中に受験しても大学在学中に留学するときに使えない場合があるので注意が必要です。

『4技能試験』がはっきりしないことを利用して、いたずらに危機感を煽ったりするところがあります(国公立大学の受験を考えていなかったり、特別な目標がない場合はそもそも受験する必要すらありません)ので、必要に応じた最新の情報をチェックするようにしてください。

[ 2019年5月31日 追加情報 ]

[ 2019年7月2日 追加情報 ]

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