英語は『音に乗っている情報の流れ』をつかめ!⑦ 好奇心を持ちながら相手の話を聞きなさい。そうすれば相手はその好奇心に応えてくれるでしょう(心の中で相手と『対話』をしましょう)Part 2

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前回のエントリーで紹介した『ソクラテスリスニング』の具体例です。ちょっと難しいかもしれませんが、2018年度第3回 英検準1級 リスニング問題 第2部(A)を聞いてみます(例によって音源に直接リンクしていますが、問題があるようでしたらお知らせください;リンクの長押しまたは右クリックでブラウザの新しいタブで開いて聞いてみてください)。スクリプト(台本)は以下の通りです(なお、和訳はざっくりやっています):

(A)Secretariat

1 Secretariat has been called the greatest racehorse of all time. 2 He set numerous records, 3 and in 1973 he won the Triple Crown, 4 a prize for horses 5 that come first in three of the most competitive races in the US. 6 Surprisingly, however, Secretariat was also famous for often being the slowest when races began. 8 It took him time to build up speed, 9 but by the end of the race he was nearly always far ahead of the competition.

10 Sadly, Secretariat developed a foot disease, 11 and his owner had to have him put to sleep 12 to end his suffering. 13 After Secretariat’s death, doctors examined him 14 and discovered the reason for his amazing speed and stamina: 15 his heart was over twice the size of an ordinary racehorse’s. 16 Some of Secretariat’s descendants have been successful as well 17 because they share the same genetic characteristic.

1 話し手:セクレタリアトは『空前絶後の競走馬』って呼ばれているんですよ。

1 聞き手:すごい競走馬だったんですね。どのへんが空前絶後なんですか?

2 話し手:たくさんの記録を樹立したんですよ。

2 聞き手:競走馬の記録ですか。どんな記録を樹立したんですか?

3 話し手:1973年に三冠をとった(= 三冠馬になった)んですよ 。

3 聞き手:三冠って何ですか?

4 話し手:競走馬の賞(栄誉)ですよ。

4 聞き手:賞(栄誉)なんですね。どんな競走馬に与えられるんですか?

5 話し手:勝つのが難しいアメリカの 3つのレースの1着馬に与えられるんですよ。

5 聞き手:それはすごいですね!

6 話し手:でも驚くことにですね、いちばん遅いことで有名だったんですよ。

6 聞き手:いちばん遅かったんですか。すごい競走馬だったんですよね?

7 話し手:スタートが、ですよ。

7 聞き手:なるほど。なぜスタートが遅かったんですか?

8 話し手:スピードに乗るのに時間がかかったからですよ。

8 聞き手:なるほど。でもスピードに乗るのが遅かったら勝てないんじゃないですか?

9 話し手:レースの終盤までにはほぼいつも相手よりずっと前を走っているんですよ。

9 聞き手:それはすごいですね!

10 話し手:残念なことにセクレタリアトは脚をケガしちゃったんですよ。

10 聞き手:それは残念ですね。走れなくなったんですか?

11 話し手:オーナーはセクレタリアト安楽死させなければいけなかったんですよ。

11 聞き手:安楽死? なぜですか? 脚をケガしただけですよね?

12 話し手:痛み(苦しみ)から解放してあげるためですよ。

12 聞き手:それじゃ仕方ないですね。

13 話し手:セクレタリアトの死後、獣医がセクレタリアトを解剖したんですよ。

13 聞き手:獣医としては興味ありますよね。解剖した結果はどうだったんですか?

14 話し手:セクレタリアトの驚くべきスピードとスタミナの理由を発見したんですよ。

14 聞き手:理由があったんですね。どんな理由だったんですか?

15 話し手:心臓の大きさが普通の競走馬の 2倍以上 あったんですよ。

15 聞き手:それはすごいですね! それだけ大きければ速いのも納得ですね!

16 話し手:セクレタリアトの子どもたちも競走馬として成功したんですよ。

16 聞き手:子どもたちがいたんですね。なぜ成功したんですか?

17 話し手:セクレタリアトと同じ遺伝的特徴を持っていたからですよ。

17 聞き手:そうなんですね! 子どもたちも大きな心臓を持っていたんですね!

 

こんな感じです。なんとなく『対話(問答)』というものがおわかりいただけましたでしょうか。『対話(問答)』が(重要な)情報の橋渡しの役割をしています。『音に乗っている情報の流れをつかむ』感覚、おわかりいただけましたでしょうか。

ただ、正直うまくいきすぎている感じがありますよね。都合が悪くなると(次に続けづらくなると)「それはすごいですね!」でごまかしているような気もしますし(こらこら)。騙された感(?)が満載だとは思いますが、多くがこんな感じです。 

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