言いたいこと、自然な英語で表現できていますか? 日本語発想 vs. 英語発想 ⑥(シリーズ最終回)

帰国子女である自分が『日本語と英語とでは発想が違う』ということを知らなくても『気持ち悪い』と判断できた理由は多くの英語に接してきたことによると考えますが、帰国子女ほど英語に接することのない日本の中高生でも『日本語と英語とでは発想が違う』ということを知っていれば『気持ち悪くない英語』=『自然な英語』を目指すことができると考えています。

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過去のエントリーVESSVirtual English Speaking Self)の話をしました。脳内でリズミカルに英語で読んでくれるアレです。この VESS をうまく利用すれば『自然な英語』への道が開けそうです。リズミカルに読めるように VESS を育成するのと同じように、英語発想ができるように VESS を育成すればいいんです。つまり、f:id:debunekoponta:20190528163146p:plain を見たら "We have two apple trees in our yard." と言えるように VESS を育成する、ということです。発音・リズムを含めて VESS に英語ネイティヴ に(できるだけ)近づいてもらうようにすることが目標です。スローガンっぽく言えば "Think and Speak Like a Native English Speaker" になるでしょうか。

よく『英語脳』というワードを見かけます。イメージだけが先行してよくわからないのが多いのですが、もし自分が『英語脳』というものが何なのかと問われれば 『VESS がかなりのレベルまで育成されている状態』と答えます(VESS についてはいずれ詳しく述べます)。

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英語発想のトレーニング(VESS の『発想スキル』育成)は案外簡単にできます。普段から意識的に『本人視点・人間中心』で考えたり話したりするだけです。難しいことではありません。自分の祖母は帰国子女でもなんでもない普通の日本人でしたが『本人視点・人間中心』で考えたり話したりしていました。自分が小さいときの祖母とのやりとりが強烈に記憶に残っています:

自分:おばあちゃん、お皿割れちゃった。← 第三者視点・情況中心

祖母:割れちゃったんじゃなくてアンタが割ったんでしょ! ← 本人視点・人間中心

…性格が悪いだけですね。日本で『本人視点・人間中心』を実践しすぎると人間関係を壊すことになるのでご注意ください。 

『4技能試験(英語の民間検定試験)』で TOEFL, IELTS, TOEIC, ケンブリッジ英検 を受験するのであれば、『自然な英語』で書いたりしゃべったりすることは必須です(採点者が英語ネイティヴのため)。GTEC も海外の採点拠点で英語話者が採点しているので同様です。英検は採点者(面接官)が日本人ならば言いたいことは通じますが、印象はあまりよくないでしょう(ただ、2019年度からは AI が〔も〕採点することになったので、どうなるかは不明です)。また、大学受験でも早稲田大学の入試問題(英作文)などは "Natural English" で書くことを要求しています。

情報構造的におかしい』『和製英語を使う』『一語で表現できるものを何語も使って表現する』などの『不自然な日本人の英語』についてはまたいつか述べたいと思います。

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