英単語は耳でおぼえよう!【番外編 ①】ローマ字と発音記号は害悪ではない? ローマ字を有効活用しよう!

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周囲にいる英語の先生を捕まえて「ローマ字についてどう思いますか?」と尋ねたら、十中八九「教えるのをやめて欲しい。英語のつづりができなくなるから」と答えると思います(自分調べ)。

また、「発音記号を教えてますか?」と尋ねたら、ほぼ 100% が「教える必要がないので教えていません」と答えると思います(自分調べ)。

英単語は耳でおぼえよう!② 英単語は LEGO 遊びと同じ? の冒頭で『とりえずローマ字は忘れてください』と書きました。英単語のつづりをするのに害悪でしかないからです。

しかし、小中学生に英語を教えたことのある人ならわかると思うのですが、小中学生のローマ字の定着度は半端ないレベルです。九九レベルです。

教師:"make" のつづりを言ってください。

生徒:M-E-I-K-U

ええ、九九レベルなんです。「九九を忘れてください」と言われても忘れられないのと同じで、ローマ字も簡単には忘れられないようです。

文部科学省に「ローマ字を小学校学習指導要領から削除してください」とお願いしてもおそらく削除してくれません。それなら有効活用した方がいいです。

そこで発音記号の登場です。 

ローマ字は発音記号を読むのに使えるんです。

"make" は発音記号で [ meik ] と表します。ローマ字との違いは最後に u が付くか付かないかだけです。

"home" は発音記号で [ houm ] と表します。日本語の『ホーム』に影響されて『ホーム』と読んでしまいがちですが、発音記号を見れば、ローマ字読みで『ホゥム』と発音することができます。

"knife" も発音記号で表せば [ naif ] です。『クニフェ』と読んでしまう小中学生が減ると思いませんか。

英語音声学の専門家の方には怒られそうなのですが、[ ɔ ] は『お』に対応させます。そうしたら [ kɔin ] も『コイン』と読めるでしょう。

[ : ] は『長くする』にしちゃいます。そうしたら bought は [ bɔ:t ] と表されるので、『ボゥ』と読む中高生はいなくなりそうです。逆に boat は [ bout ] と表されているので『ボゥ』と読めます。さらに、happy は [ hæpi ] と表されているので、『ハッピー』と伸ばしてしまう中高生は少なくなりそうです。

 [ :r ] になったら『長くした後に舌を巻く』とでもしちゃいましょう。そうしたら four [ fɔ:r ]『フォー』とは読みにくくなりませんか。

その他は以下を知っておけばどうにかなりそうです:

・[ θ ] は th の音で、[ ð ] はその有声(声帯が震える)バージョン

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・[ ʃ ] は sh などの音で、[ ʒ ] はその有声バージョン 

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・[ tʃ ] は ch などの音で、[ tʃ ] は [ t ] と [ ʃ ] がっくっついたもの

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・[ dʒ ] は [ tʃ ] の有声バージョン

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また、bank [ bæŋk ] などの [ ŋ ] は日本語の『ぎんこう』の『ん』と似ている、とでもすれば OK です。

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英語音声学の専門家の方には申し訳ないのですが、こうすることによって『ローマ字読みは正しい読み方でない』ということを刷り込む(!)ことができ、テキスト(文字)ではなく音声に注目するようになります。つづりのルールと組み合わせれば何かいいこと(?)が起こりそうです。

授業中に電子辞書を使っている最近の中高生が、授業の予習をしていなくて、次に自分が音読させられるものの中に見たことのない単語があったとします。

自宅で勉強しているときは発音がわからなければ電子辞書に発音させることができますが(残念なことに電子辞書に発音させている中高生は少数ですが…)、授業中にはできません。そこで、発音記号を読むことができれば窮地を脱することができます。

ところで、見たことのない単語があって、しかも辞書がない場合はどうしますか? たとえば、英検の二次試験では『パッセージを読む』ということをするのですが、その『パッセージ』の中に見たことがない単語があるけどそれを読まない訳にはいかない場合、などです。そんな場合でもどうにか発音できる方法を次のエントリーで述べていきたいと思います。

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