英語はリズミカルに音読しよう!② リズムの正体?

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自分は音楽のセンスというものがないのですが、そんな自分でも英語の『リズム』を感じることができたので、みなさんにも感じていただけたかと思います。

しかし、問題は『リズム』の正体です。たとえば英検のリスニング問題のスクリプト(台本)をそのへんを歩いている英語ネイティヴを捕まえて音読してもらうと、リスニングの音声と同じ『リズム』で読むでしょう。過去のエントリーにも登場した、高校在学中に英検1級に合格した帰国子女の生徒に音読させても同じ『リズム』になります。ところが、そのへんを歩いている普通の日本人の高校生を捕まえて読んでもらったらそうはいきません。もちろん個人差はあるでしょうが、十中八九『リズム』の『リ』の字も感じられない読み方をします。

あの Jennifer でもどうにもならなかったのが『リズム』でした。Jennifer は発音やつづりを直して(治して)くれるときは必ず理由を教えてくれたのですが、『リズム』だけは理由を教えてくれませんでした。こちらが間違えた『リズム』で話していると、「その『リズム』じゃない。その『リズム』じゃ何を言ってるのかわからない。そうじゃなくてこういう『リズム』だから」と言ってくれましたが、「なんでそうなるの?」と聞いても「理由なんてない。これはこういうものなんだから」とキレられました。

Jennifer をしても無理ならば仕方ありません。以前のようにアニメや TV ドラマを見る(聞く)ことによって『リズム』の情報を蓄積させ、同じような場合(文章)には同じような『リズム』をあてはめる、ということをひたすらやることしかできませんでした。しばらくして Jennifer から自分の『リズム』に対してチェックが入ることがなくなったので、どうやらうまくいったようです。

自分を含め、世の中の帰国子女はこのようなプロセスを経て『リズム』を獲得していったのではないでしょうか。生徒に「なんでそういう『リズム』で読むんですか?」と聞かれても、英語ネイティヴである Jennifer と同様に「理由なんてない。だってフツーそうやって読むんだから」と答え、「どうやったらそういう『リズム』で読めるようになりますか?」と聞かれても「大量の英語を頭がハゲるくらい必死に聞けば読めるようになるよ!」と答えるしかない帰国子女がほとんどではないかと思います。

ちょっと前に(現在もかもしれませんが)『英語音読ブーム』がありました。ざっくり言うと『英語を上達させるには音読をした方がいいよ!』というものだったと思うのですが(違っていたらごめんなさい)、『リズム』にまで触れていた『英語音読本』は少なかったように思います。触れていたとしても、『英語ネイティヴはこういうリズムで読むよ! だから日本人も同じように読もうね!』というだけで、なぜその『リズム』になるのかまでを書いてあるものはなかったと思います(自分調べ)。

もし日本人英語が通じない理由の一つが『リズム』であるならば、きちんと『リズム』の理屈がわかって、それを教えることができるのであれば、日本人の英語も変わるんじゃないか? と思うようになりました。

そんなとき、川越いつえ先生の『英語の音声を科学する』(大修館書店)と服部範子先生の『入門 英語音声学』(研究社)の 2冊 に出会いました(英語音声学の書籍はこの 2冊以外にも多数購入しましたが、自分にとってのベストはこの 2冊 でした)。

キーワードは『強勢拍リズム』と『モーラ拍リズム』になります。

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