英語は『音に乗っている情報の流れ』をつかめ!④ ズンだけ聞いてりゃリスニングは楽勝? Part 1

f:id:debunekoponta:20190520082835p:plain

以前 『Jennifer が「そのリズム(= 日本語のリズム)じゃ何を言っているのかわからない」と言った』と書きました。『英語は「音に乗っている情報の流れ」をつかめ!①~③』 を理解できたのであれば、なぜ彼女がそう言ったのかはもうおわかりでしょう。

服部範子先生の『入門 英語音声学』(研究社)P. 105 に『…英語を発音するとき、あるいは英語を聞くときは、音に乗せて情報をやりとりしているという意識をもって臨むことが重要です』とあります。

英語ネイティヴ(Jennifer)が期待しているリズム(強勢拍リズム ≓ 重要な単語〔内容語〕は強く読む)とは異なるリズム(モーラ拍リズム)で相手(自分)が話したので、相手(自分)の言っていることのどこが重要な情報なのか、英語ネイティヴ(Jennifer)にとってはわからなかった、ということです。強勢拍リズムの英語の使い手である Jennifer にとっては、日本語のリズム(モーラ拍リズム)の自分の英語はどうやら単調すぎたようです。

逆に、モーラ拍リズムの日本語ネイティヴにとっては、英語のリズム(強勢拍リズム)の日本語は『重要なことを強めてしゃべってくれている』ので、不自然と感じることはあっても『何を言っているのかわからない』という状況にまではなりにくいのではないでしょうか。もっとも、「メアリー公園トム蹴りました 」のように助詞・助動詞だけを強調されたら理解しにくくなりそうですが。

前にも書いたのですが、単語のアクセント(強勢)を(も)『リズム』と考える人たちがいます。その人たちが極論すれば、アクセント(= リズム)の位置が正しくないと相手に言いたいことが伝わらない、ということになるでしょうか。しかし、スペイン語を母国語とする人が英語の "perfect" をスペイン語っぽく "perfecto" と発音してもきちんと通じている(『おたすけマニー』参照)ことからすると、ちょっといきすぎでしょうかね。逆に『単語のアクセント(リズム)が正しければ発音が間違っていても理解してもらえる』ということになりそうです。うまくいけばハミングでも理解してもらえそうです。つまり、"My great-grandmother was so ンー ン ン that she became a model." と言えば文脈から "beautiful" ということがわかってもらえる、ということです。単語のアクセント(強勢)を『リズム』としない立場の自分としても、このことは「だからきちんとアクセント(強勢)の位置はおぼえておいた方がいいです」と援用できそうです。

このような話をすると、必ず一人は「ズン だけ聞いてりゃ(聞こえてりゃ)英語のリスニングは楽勝じゃね?」と言い出す生徒がいます。果たしてそうでしょうか?  

f:id:debunekoponta:20190520210550p:plain

f:id:debunekoponta:20190520210535p:plain

f:id:debunekoponta:20190521054644p:plain

f:id:debunekoponta:20190521225318p:plain