文法さえ正しければ日本語発音でも大丈夫?
これまでのエントリーでは『分析力(≓ 情報の比較検討力)』がアップすれば英語ができるようになるということの説得力は十分ではない、ということは認識していますが、またあとで詳しく述べる機会がありますのでひとまず置いておきます。
では PAM の P、Pronunciation(発音)の話です。
タイトルのように『英語なんて文法さえ正しければ日本語発音でも大丈夫!』とおっしゃっている方、多いかと思います。逆に『発音がよければ文法なんてボロボロでも大丈夫!』と信じてやまない方もいらっしゃるかと思います。さすがに『文法も発音もボロボロで大丈夫! 伝えたいという熱い想いがあれば!』と主張される方は少数でしょうか。
PAM English Academy としてはどうなのか?
PAM の P が Pronunciation の P であることからおわかりいただけると思いますが、発音重視です(厳密にいうと Prosody〔発音・アクセント・イントネーション・リズム〕重視です)。
しかし、これまでのエントリーからおわかりいただけるように、『文法がボロボロでも大丈夫』などとは申しません。つまり『発音も文法もしっかりやろうよ!』ということです。
理由は単純です。PAM English Academy は中高生を対象にしようと思っているからです。それではなぜ中高生が対象なら『発音も文法もしっかりやろうよ!』ということになるのでしょうか。その答えも簡単です。テストがあるからです。
確かに学校の定期試験だけでは発音はいらないかもしれませんが、これからの時代は入試で必要になってきます。このところしきりに言われている『4技能試験』というアレです。なお、『4技能試験』についてはまたエントリーを改めて述べることとします。
あなたが試験官だとして、英語(っぽい)発音の受験生と日本語発音の受験生、どちらにいい点をあげたくなりますか、という話です。答えている内容が同じであるならば、明らかに前者ですよね。
ある生徒にこう言われたことがあります:
「(4技能試験の一つである)英検の試験官はほとんど日本人なんだから日本語発音でもわかってもらえるし、ちょっと点数が悪くなっても構わないです」
はい、英検ならそれでもいいかもしれませんが、TOEFL だったらどうでしょう?おそらくそんなことは言えないでしょう。 採点するのは英語ネイティヴですから。
以前 twitter でこんなのがバズりました:
「帰国子女の中学2年生が英検2級の二次試験(面接)を受験したら不合格だった。なぜなら日本人の面接官が何を言ってるかわからなかったから」
このツイートの反応のほとんどは次のようなものだったと記憶しています:
「その子がかわいそう。やっぱり日本人の英語はダメなんだ」
TOEFL で日本語発音だとこれの逆になると思ってください。TOEFL の試験官(英語ネイティヴ)からすると「この日本人の受験生、何を言ってるかわからない」 になるでしょう。
仮に4技能試験を受験しなかったとしても、外国人とコミュニケーションをとるときに英語(っぽい)発音と日本語発音の英語のどちらが通じやすいでしょうか。前者ですよね。
もっとも、「○○人なんてひどい発音しているけどちゃんと通じているじゃないか! だから日本人も日本語発音でいいんだ!」とおっしゃっている方がいらっしゃることは把握しております。これについてもエントリーを改めて述べたいと思います。
それでも、こんな中高生がいるかもしれません:
「自分は4技能試験も受験しないし、英語ネイティヴ and/or 外国人 とコミュニケーションをとることはないから発音は関係ない」
そんな中高生には「発音ができればリーディングができるようになるけど、それでもやらなくていいの?」と言いたいです(これについてもエントリーを改めて述べたいと思います)。