言いたいこと、自然な英語で表現できていますか? 日本語発想 vs. 英語発想 ⑤

日本語発想が『三者視点・情況中心 がメイン』で、英語発想が『本人視点・人間中心 がメイン』だということがわかりました。とすると、f:id:debunekoponta:20190530094745j:plainが日本語発想だと「私には兄弟が2人います」 で 英語発想だと "I have two brothers." になり、f:id:debunekoponta:20190530095422j:plainが日本語発想だと「彼女は脚が長いです」で 英語発想だと "She has long legs." になり、

f:id:debunekoponta:20190530101759j:plainが日本語発想だと「ここから富士山が見えます」で 英語発想だと "You can see Mt. Fuji from here." になるのが説明できます。さらに、

f:id:debunekoponta:20190530101523j:plainが日本語発想だと「6月にはたくさん雨が降ります」と表現するものが、英語発想だと "We have a lot of rain in June." だけでなく "It rains a lot in June." と表現できるのも説明できそうです。  

なんとなくわかってきました。これまで『気持ち悪い(不自然な)』文と述べてきた文は『日本語発想で英語を書いた文』であるようです。つまり、"For me there are two brothers." "She is long legs. / Her legs are long." "From here Mt. Fuji can see." "A lot of rain fall in June." などとしてしまっているようです。

確かに "For me there are two brothers." は極端かもしれません。しかし、多くの中高生が『私には兄弟が2人います』を "I have two brothers." と書ける(しゃべれる)のは『英語ではそう言う』とおぼえているからに過ぎません。おぼえていないものには対応できません。おぼえていないものは日本語を『転移』(英語にそのままスライド)させてしまいがちです。

『日本人の英語は英語ネイティヴに通じない』とよく言われますが、これは『発音やリズムが悪いから』というだけでなく『日本語発想の英語を話しているから』通じない、ということも言える のではないでしょうか。

原因は中学校の英語教育にあると思っています。『日本語を英語にしなさい』という問題で『転移』させやすいものを出題したり、英語発想の文は『英語ではこう言うんだからおぼえておいて』と言ったり。英語に慣れるためにそうすることはいいとは思うのですが、『日本語と英語とでは発想が違う』ということを教えてくれないとそれでいいと思ってしまいます(自分で違いに気づく中高生はまれです)。

これでは英語ネイティヴに「日本人の英語は不自然だ」と言われても仕方ありません(『不自然な日本人の英語』はこれに限ったことではない〔『情報構造的におかしい』『和製英語を使う』『一語で表現できるものを何語も使って表現する』等〕ですが、多くの部分を占めていると考えます)。

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