英語は『音に乗っている情報の流れ』をつかめ!⑥ 好奇心を持ちながら相手の話を聞きなさい。そうすれば相手はその好奇心に応えてくれるでしょう(心の中で相手と『対話』をしましょう)Part 1

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英語は『音に乗っている情報の流れ』をつかめ!の ⑥ です。サブタイトルが中学校の英作文の問題みたいになっていますが、あまり気にしないでください。

英語は『音に乗っている情報の流れ』をつかめ!④ で『…英語を発音するとき、あるいは英語を聞くときは、音に乗せて情報をやりとりしているという意識をもって臨むことが重要です』(服部範子著『入門 英語音声学』P. 105)と書きました。

また、英語は『音に乗っている情報の流れ』をつかめ!② では『話し手にとって重要な情報を発した後は一旦停止(ポーズ)をする』と書きました。

 

話し手:ベッキーの両親は何をあげたと思う? お金だって!

    ~ 一旦停止(ポーズ)開始 ~

聞き手:へぇ、お金なんだ? ベッキーはそれを何に使ったんだろう?

    ~ 一旦停止(ポーズ)終了 ~

話し手:何に使ったんだと思う? カメラを買うために使ったんだよ!

 

まず、聞き手は一旦停止の間に「へぇ、お金なんだ?」と話し手が言ったことを理解します。次に、聞き手はその理解をもとに「ベッキーはそれを何に使ったんだろう?」と好奇心を持ちます。そうしたら話し手はその好奇心に「何に使ったんだと思う? カメラを買うために使ったんだよ!」と応えてくれます。

このやりとりを自分は『対話(問答)』と呼んでいます。ソクラテスとその弟子プラトンの『対話(問答)』のイメージです(専門家の方には怒られそうですが、あくまでイメージなので勘弁してください)。一旦停止(ポーズ)の間は『対話(問答)』タイムなのです。そして、この『対話(問答)』をしながら(『思考しながら』と言ってもいいかもしれません)聞くこのやり方を自分は『ソクラテスリスニング』(Socratic Listening)と名付けました(具体例は次回のエントリーに譲ります)。

なぜこんな不思議ちゃんみたいなことを言っているかというと、実際の英語ネイティヴの話し方がこうなっている からです。

何か言いたいことを言ったら言いっ放しにしないで、聞き手が好奇心をもつことに対して責任を持って応えてあげる(『理由を述べる』『具体例を挙げる』など)。英語ネイティヴは小さいころからそういう教育(訓練)を受けています。アメリカなどの小学校で行われている "Show and Tell" というのを聞いたことがあるかと思います(詳しくは こちら をご覧ください〔Wikipedia に飛びます〕)。『三つ子の魂百まで』で、大きくなっても英語ネイティヴにはこうやって話します。そうであるならば、聞いている側としてはそれに対応する必要があります。それに対応するのが『対話(問答)』をしながら聞く『ソクラテスリスニング』です。

なお、日本人は一般的に『言ったら言いっ放し』にする傾向があります。言いっ放しにしても聞き手(読み手)が推測してくれるので、言いっ放しにしてもあまり問題にならないからです。「理由なんて言わなくてもわかるよね? なんで言わなきゃいけないの?」といったノリです。

注意しなければいけないのは、このノリをいわゆる『 4技能試験』の Writing や Speaking (Vocalizing) に持ち込まないことです。詳しくはまたどこかで述べるつもりですが、Writing や Speaking (Vocalizing) では理由まで述べて完結することになるからです。日頃から理由を述べる(求める)癖をつけておくことをおすすめします(友人は減るかもしれませんが…)。 

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