英語は『音に乗っている情報の流れ』をつかめ!⑨ 『ソクラテスリーディング』で読解力 + 読解スピードアップ! Part 2(シリーズ最終回)

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これまで『発音ができるようになればリーディングができるようになる?』をテーマに長いこと述べてきました。ここまでお付き合いいただけたみなさんは 第 3 段階『情報の流れをつかむことができるようになれば文章全体を理解することができる』ということがどういうことなのか、もうおわかりかと思います。

前々回のエントリーの 2018年度第3回 英検準1級 リスニング問題 第2部(A)の設問と解答の選択肢は次の通りです:

No. 13 What is one thing that Secretariat was known for?

1 He often began his races slowly.
2 He was a difficult horse to control.
3 He usually finished in either first or last place.
4 He was the first Triple Crown winner.

No. 14 What was discovered after Secretariat died?

1 He had been injured in his final race.
2 He had died from a rare heart disease.
3 His death could have been prevented.
4 His heart was much larger than normal.

ソクラテスリーディング(リスニング)』をやっていたならば瞬殺かと思います(【正解】No. 13 → 1、No. 14  → 4)。選択肢をすべて読んでから選ぶのではなく、自分で導いた答えと同じ選択肢を探すというイメージです(No. 13 も 14 も選択肢は 29語です。解答時間 10秒 で読むためには単純計算 180 WPM 必要なので、選択肢をすべて読む、というのは戦略的に間違っています)。

「4択問題が解けたところで文章全体を理解できていると考えるのは論理の飛躍だ」と思われるかもしれませんが、「要約しなさい」という問題だったらどうでしょうか。読んでいる(聞いている)途中に『対話(問答)』という『思考』を行っているので、行っていないよりも簡単にできます(全体の流れに不必要な情報を除外しやすくなります)。しかも、『思考』を伴った読み方をしていると、文章を読み終わった後でも(『思考』を伴わない読み方と比べて)記憶に残りやすい(自分調べ)ので、本文をもう一度読まなければいけない、ということが少なくなります。

うまく『ソクラテスリーディング』ができるようになると、読解スピード(WPM)もアップします。2018年度第3回 英検準1級 リスニング問題 第2部(A)は 140語 から成り、長さはちょうど 1分 です。つまり、140 WPM です。たとえば、英検2級 の長文は 3つあり、それぞれ 約 300語、400語、500語 なので、もし同じスピードで『ソクラテスリーディング』ができるのなら、約 10分 で 3つすべて 読み終わります。 設問形式もリスニングと同じ感じなので、瞬殺できます。

学校で GTEC を受験したことがある人は SCORE REPORT の『READING 結果』のところにご自身の WPM が書いてありますので確認してみてください。ちなみに SCORE REPORT には『WPM 校内平均』も載っているのですが、校内平均 が 100 WPM を超える高校にはそうそうお目にかかりません。よって、現実的(?)には 120 WPM あれば御の字なのですが、目標は高く持った方がいいと思います。

最近の大学入試問題の傾向として、『長文読解問題の長文化』というものがあります。『大学入試センター試験』に代わる『大学入学共通テスト』の 試行調査の問題 をご覧になったことはありますでしょうか。その語数の多さにびっくりしますよ(設問や選択肢の語数も含めた総語数は 5,000語 を超えます;『大学入試センター試験』が平均して約 4,000語 と言われているので、1,000語 近く多くなっています)。『大学入学共通テスト』ですらこの多さですので、難関大学などの長文読解問題は推して知るべしです。速く読めて損することはありません。

「読解スピードが遅くて…」という中高生には『ソクラテスリーディング(リスニング)』を試してみることをおすすめします(TOEIC を時間内に解き終わったことのない社会人の方にもおすすめします)。

 

これまでのエントリーで『発音ができるようになればリーディングができるようになる!』ということが少しでもわかっていただけたらうれしいです。もちろん、発音『だけ』ができればリーディングができるようになるわけではありません。文法力や語彙力も当然必要となってきますので、そこは誤解のないようにお願いいたします。

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