超記憶神殿アカデミア 話・おぼえていますか(リスニング内容の完全な再現を目指して)①

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「2019年5月11日のエントリーで聞いた 2018年度第3回 英検準1級 リスニング問題 第2部(A)が何の話だったかおぼえていますか」と尋ねられたら、「競走馬の話です」と答えることができるかと思います。

それでは、「どんな内容だったかおぼえていますか」と尋ねられたらどうでしょうか。普通なら「おぼえていません」と答えるでしょうが、なんとなくおぼえていませんか?

さらに、「話を最初から最後まで再現してください」と尋ねられたらどうでしょうか。普通なら絶対に「できません」と答えるでしょうが、なんとなく再現できそうな気がしませんか?

競走馬の名前なんて細かい情報はおぼえていなくてもいいです。『空前絶後の競走馬』で大丈夫です。なんで『空前絶後』だったんでしたっけ? はい、たくさんの記録を樹立したからですよね。どんな記録でしたっけ? 年号はおぼえていなくてもいいですし、何という名前の賞だったのかもおぼえていなくてもいいです。とにかくすごい記録だったということだけおぼえていればいいです。そんなすごい競走馬でも何か弱点がありましたよね? はい、スタートが遅かったんですよね。

ここで再現が途切れる人がいると思います。それは仕方ないのですが、もう少しがんばってみましょう。何か悲しいことがおこりませんでしたか? はい、脚をケガしちゃったんですよね。ケガしてどうなったんでしたっけ? 安楽死ですよね。痛みから解放してあげたかったんですよね。死後どうなったんでしたっけ? はい、獣医が解剖したんですよね。解剖したら何がわかったんでしたっけ? はい、普通の競走馬とは違ってすごかったんですよね。心臓が大きかったんですよね。どれくらい大きかったかはおぼえていなくてもいいです。この心臓の大きさが遺伝した子どもたちはどうなったんでしたっけ? はい、競走馬として成功したんですよね。

いかがでしたでしょうか。『ソクラテスリスニング(リーディング)』で『対話(問答)』という『思考』をやっていたのであれば、再現できたんじゃないですか? スタートが遅かった話で再現が切れそうになったのは、安楽死の話と段落が変わって『対話(問答)』が続かなかったからです(2019年5月11日のエントリー の「それはすごいですね!」で終わったところです)。数日経った今日でも再現できるのであれば、聞いた(読んだ)直後はなおさら再現できると思いませんか。2019年5月12日のエントリー で『ソクラテスリーディング(リスニング)をすると本文に戻らなくてもよくなる 』と書きましたが、そういうことです。『要約ができるようになる』というのもなんとなく納得いただけたかと思います。

リスニングの指導をしているときに初見(初聞?)のものを一度でおぼえて内容を再現すると生徒に気持ち悪がられますが、『ソクラテスリスニング』のやり方をマスターすると生徒たちもできるようになります(もちろん、かなりの練習が必要なのと個人差があります)。

ところで、『ソクラテスリスニング』の上達がものすごく早かった生徒がいました。他の生徒よりもあまりに早かったのでその理由を聞いてみたところ、「自分はすべて聞いたことを脳内で映像化(ヴィジュアル化)しています」との答えが返ってきました。コマ送りではなく、スムーズな動画として脳内で再生するんだそうです。このへんの詳しいことはいずれ PAMMemorization のところで説明したいと思います。

なお、何度も聞いていただいた 2018年度第3回 英検4級 リスニング問題 第3部(No.21)の再現(特に時間が経ってからの再現)は難しいと思います。内容的に『対話(問答)』ができないからです。これもいずれ詳しく述べたいと思いますが、英検3級のリスニングまでは『対話(問答)』ができるものは少ないです(3級まで音声が 2回繰り返される 理由の一つはこれだと考えています)。できるようになるのは 準2級の第3部からです(会話問題の第1部・第2部も難しいです)。準2級 の 第3部 や 2級 の 第2部 が苦手な人は『2回繰り返されないから聞けない』のではなく『ソクラテスリスニング的な聞き方ができていないから聞けない』ことが多いです(自分調べ)。

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