「私は昨日お尻を買いました」?

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ご自身の周りの帰国子女の発音を聞いて「すごい!」と思うことがあったかもしれませんが、実はそれほど正確な発音ではない、ということがわかりました。正確な発音をしている帰国子女の方には怒られそうなのですが、あくまで『英語っぽい』発音をしているだけ、と言ってもいいかもしれません。

そして、やり方次第では普通の日本人でも『英語っぽい』発音を習得できる可能性があるといこともわかりました。「『英語っぽい』発音でいいんだ!」と思えば多少気がラクになるかと思います。

さらに、前回のエントリーで「 "party" の "ty" が『リ』でいい」と書きましたが、ある程度日本語の発音で代用できるものは代用して構わないと思っています(『日本語発音でいい』と言っているわけではありません。第二言語習得学〔SLA〕では母語〔日本人の場合は日本語〕が第二言語に与える影響を『言語転移』と言います。母語の影響を完全に排除するのは難しいので、代用できるものは代用しましょう、ということです)。こう考えるのなら一筋の光明が見えてきませんか。

もちろん、代用してはいけない場合には注意してください。発音記号についてはまたあとで触れたいと思いますが、発音記号の一つに [ ʌ ] というものがあります。英語音声学の専門家の方には怒られそうなのですが、この [ ʌ ] という音は日本語の『あ』と同じ(限りなく似ている)と考えてください。この [ ʌ ] は英語の他の『あ』系の音(日本人には『あ』と思える音)に代用してはいけません。

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たとえば、「私は昨日バットを買いました」と英語で言いたいと思ったとします。"I bought a bat yesterday." になるでしょうか。"bat" の "ba" を日本語の「バ」[ bʌ ]  で代用して発音すると、英語ネイティヴには「私は昨日お尻を買いました」"I bought a butt yesterday." と理解されてしまうおそれがあります。「いやいや、『お尻を買う』なんてありえないから間違われることはないだろう」と思うかもしれませんが、以前こんな記事があったので可能性はゼロではないです:

確かに、「お尻を買う」は極端な例かもしれません。しかし、デリバリーピザチェーンの『ピザハット』を『ピザ(の)帽子』と思っている日本人の方、多いと思います。逆に、カー用品販売店の『イエローハット』は英語ネイティヴに『黄色の小屋』と理解されてしまうおそれがあります。

2020年に東京でオリンピックが開催されるときに英語ネイティヴ and/or 外国人に道を聞かれて、英語で「『イエローハット』の角を右に曲がってください」と言ったらどこにも黄色の小屋が見つからなくて迷子になった、なんていうことがあるかもしれません。

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