"Read my lips!"
帰国子女ではない日本人が英語(っぽい)発音をすることは無理なのでしょうか。
小さいころからひたすら英語に触れさせていれば無理ではないかもしれません。もっとも、帰国子女のように『話せないと生きていけない状況』ではないので、それほど簡単にいくとは思えません。もし小さいころからやっていなければいけないのであれば、やっていなかった中高生は時間を巻き戻すことができない以上、どうしようもないことになります。
英語に触れていた時間が多かった、というアドバンテージはありましたが、小学校5年生だった自分ができました。なんとかならないわけがありません。そこで思い出したのが、アメリカの小学校のクラスメイトの Jennifer でした。
この Jennifer ちゃん、いい意味でお節介な子でした。まったく英語がわからなかった最初のころ、身振り手振り・手取り足取り、いろいろ教えてくれました。彼女がいなかったらと思うとぞっとします。
前回のエントリーで書いた『ただひたすらに聞く』時期が終わり、『ただひたすらに真似をする』時期のころです。当時のクラスメイトで自分の相手をしてくれるのが Jennifer と Matthew だけ(!)だったので、Jennifer と Matthew に真似の成果を試してみることにしました。
陽気な Matthew はこっちが何を言っても褒めてくれましたが、Jennifer は違いました。間違った発音をしようものなら正しい発音ができるまで許してくれませんでした。まさに『鬼教官』でした。
いつも "Read my lips!" と言って、自ら発音してくれました。"Lips" は『唇』というよりも『口』でしょうか。Jennifer は「私の口の動きをよく見て、同じ動きをして」と言っていたのです。口の動きだけでなく中(舌の位置)まで見せてくれたのにはドン引きしましたが…。今考えると、これがよかったようです。
発音指導をする際に自分は歯型(Amazon で売っています)を使っているのですが、その一つは彼女に敬意を表して Jennifer と名づけました(本人は嫌がるでしょうが)。