Synthetic Phonics + Analytic Phonics + Analogy Phonics = Jennifer Phonics!

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これまで述べてきたフォニックス(つづりと音の関係)の考え方ですが、"Synthetic Phonics" という種類のものらしい、と最近知りました。

『自分と Jennifer で編み出した』と勝手に思っていましたが、どうやらそうではないようです。まぁしょせん小学校 5年生が考えつくことなんて誰かがすでに考えついていますよね。

日本では山下桂世子先生をはじめとする多くの先生方が普及に努めていらっしゃるようです。山下先生らによると、Synthetic Phonics は日本人に向いているとのことです。詳しくは山下先生らが編著者をされている『ワーキングメモリと英語入門 多感覚を用いたシンセティック・フォニックスの提案』(北大路書房)をご覧ください。

ただ、山下先生が普及を目指されているのは "Jolly Phonics" という Synthetic Phonics の一つで、自分と Jennifer が開発した(← しつこい)ものとは違うのかな、と読んでみて思いました。"Jolly Phonics" の詳細については上述の書籍をお読みいただくか、ググっていただければわかるのですが、耳だけでなく、身体全体も使うものになります(間違っていたらごめんなさい)。これ、小さい子にとっては楽しいでしょうが、スレている日本の小学校高学年~高校生にとってはちょっと恥ずかしくて身体全体を使うことを嫌がると思います。実際、小学校高学年~高校生に "Jolly Phonics"(っぽいもの)を試してみたことがあるのですが、多くの生徒にドン引きされました。さらに、イギリス人によって開発されたものなので、日本人とはちょっと感覚が違うかな、とも思いました(個人の意見です)。

ちなみに "a- a- alligator!" "a- a- ant!" "b- b- bread!" "b- b- beans!" というノリ(?)のフォニックスは "Analytic (Analytical) Phonics" というそうです。ざっくり言うと、『いちばん大切なのは "a- a-" "b- b-" のような言い出し(onset)だよ!』でしょうか(専門家の方、ごめんなさい)。前にも書きましたが、日本の中高生なら「問題はそこじゃねぇだろ! なんで 同じ "ea" なのに "bread" は『エッ』で "beans" は『イー』なんだよ!」とツッコミをいれたくなると思います。

もっとも、これを書いていて思ったのですが、"Basic Phonics Table" は『母音のフォニックス読みに特化した Analytic Phonics』 と言ってもいいのかもしれません。"b- b- bat! [ æ ] b- b- bed! [ e ] b- b- biscuit! [ i ] b- b- box! [ ɑ ] b- b- bus! [ ʌ ] " みたいな。

さらに、世の中には "Analogy Phonics" というものもあるそうです。これはたとえば "at" を一つのかたまり(チャンク "chunk")と考え、bat, cat, fat, hat .... とやっていくもののようです。自分と Jennifer が創製した(← いい加減にしろ)ものの『ブロック』とコンセプトは同じみたいです。

結論としては、『自分と Jennifer が創出したもの』のではなく(← 当たり前だ)、『日本の小学校高学年~高校生向けに Synthetic Phonics と Analytic Phonics と Analogy Phonics のいいとこ取りをしたもの』という感じになるでしょうか。名前を付けるとしたら "Jolly Phonics" に対抗して(?)"Jennifer Phonics" ですかね。

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