超記憶神殿アカデミア 話・おぼえていますか(リスニング内容の完全な再現を目指して)②

f:id:debunekoponta:20190520082159p:plain

Dictoglossディクトグロス)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。Dictation(ディクテーション)ではありません。 詳しくはググっていただければわりますが、ざっくり言うと、『メモを取りながらリスニングをし、聞き終わったらグループで話し合って内容を再構築するアクティビティー』とでもなるでしょうか(内容が伝わればいいそうなので、『完全に再現』する必要はないようです)。最近流行りの『アクティブラーニング』の一環として学校でやったことのある人もいるかと思います。

自分はこの Dictogloss の採用には消極的です。まず『話し合って』というのがアウトです。スレた最近の中高生はグループにしても話し合いません(自分がそういった生徒しか見たことがないだけで、話し合いが大好きな中高生がいるかもしれませんが)。

仮に話し合いが大好きな生徒がいたとしても全員ではないです。シャイな生徒もいるので、シャイな生徒は話し合いに参加しないか参加しても話し合いが好きな生徒に押し切られるか、です。先生によってはこの『話し合い』を英語でやらせるそうなのですが、話し合いの大好きな英語力の劣る生徒が黙ってしまうことになりそうです(「ボロボロの英語でも積極的に話すことが重要なんだ!」という主張はここでは等閑視します)。

次に『メモを取りながら』というのが致命的です。Dictogloss をやったことのある先生はご存じだと思うのですが、『メモを取りながら英語を聞く』という芸当(?)ができる生徒は案外少数です。それができない多数の生徒は何度も「もう一度聞かせてください」と言ってきて、聞けなかったところを順番に埋めていく、という作業をするようになります。事前に『メモを取る練習をする』という先生もいらっしゃるそうなのですが、違和感があります。

仮にメモを取ることができたとしても『ズン』の部分だけしかメモを取りません(『ズンチャ』の『ズン』のところしか聞かなくなります)。過去のエントリー でも書いたとおり、『ズン』しか聞いていないと、抜けたところを勝手に補ってテキトーな話を作り上げてしまいます。想像力豊かな中高生のでっちあげ話(?)はおもしろくて個人的には好きなのですが、別のところでやってください、といった感じです。

以上より、Dictogloss は『アクティブラーニング』としては 理想的かもしれませんが、採用するには現実的でないと考えます。

f:id:debunekoponta:20190520210550p:plain

f:id:debunekoponta:20190520210535p:plain

f:id:debunekoponta:20190521054644p:plain

f:id:debunekoponta:20190521225318p:plain